アンケート結果について、調査協力者でもある竹信さんに解説していただきました!
合わせてご覧ください。
実施期間:2023年4月29日~7月31日 総回答数:61件
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44% |
28% |
94% |
3% |
3% |
78% |
7% |
5% |
5% |
3% |
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※その他:ヘルス、ピンサロ、ニューハーフヘルス、スポーツバー、ニューハーフガールズバーを含む
65% |
13% |
7% |
15% |
18% |
18% |
20% |
13% |
8% |
23% |
※その他:「無回答」、「わからない」、「呼べるお客さんがいれば不問だがいなければ見た目年齢20代半ばまでだったがコロナ後は厳しくなった」を含む
51% |
28% |
15% |
7% |
※その他:「そもそも要求していない」「無回答」を含む
61% |
18% |
18% |
3% |
※その他:「コロナ前は希望通りだったが、コロナ後は来店がある日や、前日か当日に連絡が来るようになった」「基本的には曜日固定が多いが、お客様の状況で急に出勤させられたり上がらされたりは日常茶飯事」「休みを取りたくても人数が少ないと休めない」「店からの要求でシフトが増える」「無回答」を含む
61% |
16% |
5% |
5% |
13% |
※その他:「ほぼ毎回残業があった」「決まっていたが長引くことがあった」「はじまりは決まっていたが週末などとても帰れないので働いた」「自分で好きなように働く」「終わりの時間は決まっていない」「まとまったシフトはもらえず、お客さんが来ないとサービス残業させられて4時間とか5時間(深夜1時から始発までなど)意味のない待機をさせられました」「日給制にして残業代をなかったことにされた」「無回答」を含む
61% |
16% |
11% |
13% |
70% |
50% |
38% |
31% |
28% |
5% |
59% |
35% |
6% |
※その他:「修繕費」「罰金」「無回答」を含む
48% |
44% |
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33% |
30% |
23% |
13% |
11% |
※その他:「勤務態度を理由に5~100万円の罰金を取られる」「給料のスキップ」「システムとしてはあったが割と免除される」「まだ知らない」「無回答」を含む
57% |
51% |
33% |
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20% |
8% |
38% |
18% |
16% |
11% |
10% |
5% |
2% |
※その他:「店が潰れた」「罰金として支払われなかった」「出勤を取り消されバックも消された」「無回答」を含む
66% |
39% |
32% |
17% |
※その他:「まだ辞めていない」「クビになった」「家に来られた」「キャストのラインブロックの強要」「事実無根のクリーニング代の話」「パワハラや暴力で辞めると言えなかった」「辞めるといっても辞めさせてくれず脅された」「無回答」などを含む
44% |
28% |
21% |
20% |
16% |
※その他:「まだ辞めていない」「何カ月分ももらえなかったことがある」「給料を取りに来るのか、とクレームがあった」「病欠の連絡をしたら当日欠勤の罰金をひかれた」「無回答」を含む
30% |
28% |
27% |
23% |
15% |
11% |
42% |
58% |
※その他:「他の辞めた子の会社に言って暴れたと聞いたため、また自分の親が貧乏だったため学歴が高卒だったし、他の仕事も発達障害があったためか大変な仕事が多かったため」「情報が筒抜けだった」
80% |
64% |
48% |
36% |
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24% |
8% |
34% |
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※その他:「カラオケを歌ったから」「コロナ禍で街の窮状を訴えるため政治を批判する記者会見を開いたことがバレた」「労働組合員だから」「店の問題点について自分の意見を伝えたら逆ギレされて即日解雇になった」
48% |
48% |
33% |
29% |
14% |
14% |
62% |
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5% |
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※無回答はいずれの選択肢も選ばなかった回答者の数
51% |
31% |
30% |
3% |
私は人生の上で、かなり年齢行くまで水商売経験があり、最新の勤務は6年程前でした。(アンケート対象に外れていたらすみません)
夜の仕事をやっていた期間の総数で言えば、若い頃と年齢後も含めると最低でも15年以上は勤務経験があります。(双方の時代の比較で、現代のキャバ等の労働環境はもはや全体的に悪化しているのもあからさまに感じました。)
勿論、合間に昼職や自営(委託業務)をしていた期間もある為、年齢後はある程度の知識はつけた上で出戻っているので、周りの女の子からも話を聞いてた上では、夜業界は偽装請負が確定的なパターンはかなり多いと感じます。
現在、夜職は辞めていますが、昔も今も、昼社会のように法的にきちんと通してやっている店等を見たのは私的には皆無ですね。(緩いか厳しいかの違いだけ)
裏側も大抵は、暴力団による守りを得る為にみかじめ料等を払ってやっている所も多かったし、まぁ夜はほぼマトモな界隈ではないとは踏んでいます。
多くは契約書などの取り交わしはなく口頭での口約束だけの店が多い為、実際の労働契約がどうだったのかは不明なまま辞めてますが、労働実態は労働者以外の何者でもないのは当然で、明細上だけ事業所得を装って書かれていたり(事業所得での単語が使われている等)、就業規則やノルマシステム(罰金金額等が書かれた)詳細は、嬢の更衣室の張り紙だけで、自分が忘れてしまうからとコピーを要求すると、これは渡せないと拒否された店もあります。
無知でやっている店(ある程度は大丈夫だろうと踏んでいていい加減にしている)のと、あるいは違法を解っていてやっている店があると感じました。
悪徳弁護士や税理士等の力を借りている所もあるのではないかと踏んでいます。
私的に年齢後は経験値からうまく経営者側の意向に沿った形で交渉をして、損失がないように立ち回っていましたが、無知な若い子はいいようにされている事が多かったですね。
相手も解っているな。と思うと、無謀な事はしない感じはありました。(足元見ている)
理不尽な扱いをされている子を見ていると、いたたまれない気持ちになる事も多かったですね。
現在はもう完全に夜職は辞めていますが、キャバ関係の労働組合さんは応援しています。
理不尽に屈せず、正義を貫き通し、頑張ってください。
17% |
83% |
90% |
10% |
※その他:「申告にきたと言ったのに何度も相談ですよねといわれた」「労基がいったときに、お店が閉まっていた、と言われた。お店に電話もしたけど、こう言われた、と言われて、それっきりになった。」
78% |
78% |
67% |
33% |
※その他:「デシャップで給料も少なめだから未払いをあきらめた」「組合に相談した方が早いと思った」「相談せず、泣き寝入り」「行政の窓口というのは、往々にしてハリボテである。また、夜職に就くものがそのような窓口へ時間内に相談するのは時間やアクセシビリティなどに構造的な欠陥がある。したがって、相談は不可能であった。」「知人の行政担当者に相談した」
66% |
20% |
11% |
11% |
4% |
最低労働基準を下回る例が横行する「無権利状態」
調査協力者・竹信三恵子(和光大学名誉教授)
1. アンケートの位置づけ
本調査の回答者数は61件で、サンプル数が少ないこと、調査方法が無作為抽出ではなく、回答に協力してくれた人を対象としている点で、母集団を客観的に代表する一般的な調査ではない。ただ、「キャバクラ」に代表される「水商売」で働く人々の各層で、その労働条件の何が問題視されているかを浮かび上がらせる初の貴重な資料と位置付けることができる。こうした回答から浮かんだ問題点は、労基法違反を始めとする最低労働基準を下回る行為の横行、労働条件自体が入職から退職まであやふやなままの「無権利状態」となっていること、これを規制すべき行政の対応がほとんど機能していない点だ。
以下、その詳細を整理する。
2. 採用時の基本的な労働条件の明示がない。
Q7に見られるように、採用時に基本的な労働条件(賃金の決定・支払方法、労働時間・休日の決め方など)を書面で明示するという、入職の際に当たり前に行われるべきことが6割近くも行われていない。こうした実態は、労働基準法15条(施行規則5条)違反である。書面で交付しないだけでなく、口約束(口頭による明示)すらないケースも「ほとんどなかった」が2割ある。Q25のように、「就業規則を見たことがある」との回答も4割を下回っている。
他の質問への回答から見ても、こうした状態は、勤務を始めた後もつづき、いつまで経っても賃金の決め方や労働日や労働時間の決め方がはっきりしていないことが多く、労働条件に関するトラブルが生じても、言った、言わないといった「水掛け論」になり、多くが泣き寝入りを強いられている実情が垣間見える。
3. シフト制の浸透と「留意事項」の不徹底
シフト制は、この業界でも多く採用されていることがうかがえる。シフト制自体、適切に運用されている限り、労基法に違反するわけではない。ただ、Q8への回答のように「希望を出しても店の都合で決められる」が少なくないこと、Q9への回答のように当日の始業・終業時刻の一方的な変更(ルールなき変更)や、Q10への回答のように、「店の都合で早上げされても給料が出ない」など、シフト制を悪用して店の都合のみで伸縮する事態が目立ち、法違反につながるケースも少なくないと見られる。「いわゆる『シフト制』により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」(令和4年1月7日付、厚生労働省)を徹底させていくことが求められる。
4. ずさんな労働時間管理と割増賃金の不払い
Q10ではほかにも、①労働時間としてカウントすべき時間(準備作業、手待ち作業)を除外、②タイムカードを店が管理し、勝手に打刻しすることで過少な労働時間を記録、③毎日の労働時間を15分又は30分単位とし、それ未満未満を切り捨てるなどの行為は、いずれも労働基準法違反(24条又は37条)に相当する例が目立つ。
また、Q11では時間外労働、深夜労働に対する割増賃金の支払いを適正に行われていたとの回答はわずか1割であることが明らかになった。この業界では割増賃金を払わないことが慣行化しているのかと思わせるほどだが、こうした現状は労基法37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)違反にあたる。
5. 内容が不明確な「天引き」や「罰金」による賃金の減額
俗に「ピンハネ」と呼ばれるような、一方的な賃金減額に相当する手法も目立つ。Q12では厚生費、雑費、ヘアメーク代、送り代などの名目の天引きがされているとの回答が目立つ。これらの多くは、賃金の支払いに関し、一方的に設定された、必ずしも内容の明確でない控除項目と疑われる。控除(法定控除を除く)の対象となるのは、労働者が当然に支払うべきことが明らかなものでなければならず、労使協定の締結を通じて内容の必要性、合理性等が十分検討されたものでなければならないが、それらが行われているかどうか見極める必要がある。
また、「罰金」という形の賃金減額も見られる。Q13では遅刻、欠勤、ノルマ未達成など様々なケースで罰金制度が設けられているからだ。減給制裁を課すには、法令による規制がある。労基法91条では、①平均賃金の1/2内であること、②一回の賃金総額の1/10であることが必要です。また、あらかじめ減給の理由と程度を就業規則等で定めておくことも必要だ。さらに、実際の減給がその理由にてらして合理的であることも必要だ。 アンケート結果からは、あまりにも安易に罰金制度を運用している実態が見えてくる。
6. 「辞めさせない」ためのペナルティの横行と一方的な解雇
辞めることに対するペナルティのような慣行と、一方的な解雇の両方も目立つ。
Q14〜17では、働いた分の給料が払われなかったり、一方的に支払いが遅延させられたりするケースが日常的に存在することがうかがえる。とくに特徴的なのは、退職を申し出た以降に支払日の到来する給料を払わないという「ルール」の存在がこの業種の大部分で認められることだ。これらは「足止め策」であり、あわせて辞めることへの(不当な)ペナルティの意味を含んでいると考えられ、賃金の支払いルールについて定めた労基法24条に違反する可能性が高い。
加えてQ18〜19では、法律違反や契約違反の店でも辞めると言い出せなかった人が4割を超え、その理由として「損害賠償」をほのめかされる、「家に来られるかもしれない」や「暴力・暴言」といった心配など、退職を申し出た者への「嫌がらせ」という悪質な行為が多岐にわたって見受けられる。
一方で、Q20〜24では、約4割が解雇された経験があると回答しており、解雇が頻繁に行われていることも浮かんでくる。その理由を尋ねたことに対する回答( Q21)を見ると、「雰囲気に合わない」「お客さんを呼べない」などという一方的な理由で解雇に及ぶケースも少なくないことが見えて来る。しかも、解雇通告の当日に解雇された人が6割を超し、出勤を減らされる、出勤できない、といった嫌がらせめいた対応が7割を超す。法律で決まっている解雇の補償を受けていない人は7割を超し、法定の額より少なかった人と合わせると9割にのぼる。
7.労基法逃れが疑われる「業務委託」や「個人事業主」扱いの横行
労働基準法は、労働契約を結んで働く「労働者」に適用されるが、Q25の回答からは、「労働者」とみなされうる労働時間管理がされる働き方であるにもかかわらず、店から個人事業主あるいは業務委託として働くよう求められるケースが頻発している状況が見られる。実態は労働者であるにもかかわらず、労基法を始めとした使用者責任を負いたくない、労働保険・社会保険等の負担を負いたくないなどの意図を感じ、すでに一定数が、名ばかりの個人事業主や業務委託、フリーランス等のとして扱われることで「無権利状態」に置かれていることが推察できる
8. 行政による解決の不備
このような無権利状態は、行政の指導や労組が歯止めになるが、労組が結成しにくいこれらの業界では行政が重要な役割を果たす。だが、今回の調査では、その不備が目立った。Q27の行政の窓口を利用したことがあるか、という問いには、8割が「ない」と答え、Q28の「行政の窓口の対応」については10件の回答のうち、「納得のいかない対応を受けたことがある」が9件あった。その理由を聞いたQ29では、「諦めた方がいいと言われているような気がした」「なかなか進まないと感じた」「状況を理解してもらえないと感じた」など、行政の人員不足や、この業界の監督の難しさを思わせる対応が多い。
この業界は、これまで見てきたように労働権の侵害が多く、立場の弱い女性も多く働いている。それだけに、行政の指導体制の強化が問われる。
9.ILO総会での論議を踏まえた法改正の必要性
2002年の第90回国際労働機関(ILO)総会では「ディーセント・ワークとインフォーマル経済」に関する決議が採択された。「インフォーマル経済」とは、ディーセント・ワークに反する部門を意味し、「法規制が存在しない分野」と並んで「法規制が不遵守の分野(適用労働基準はあるが完全または部分的に無視され、法規が遵守されないために使用者の義務が果たされず、労働者の権利が認められない場合)」が示された。2006年のILO総会では「労働監督」が議題になり、最前線にいる監督官は「インフォーマル部門の雇用創出の可能性を保護しつつ、零細・小規模企業が事業をフォーマル化する戦略が必要」として労働監督の意義が再確認され、2015年のILO総会でも、インフォーマル経済の労働条件を改善できるように監督制度を拡充するなど実効的な法執行を図ることなどの勧告が採択されている。本調査で明らかにされたキャバクラ労働者の権利侵害状況は、これらILOでの議論を踏まえた監督体制の強化へ向け、経営側からの威圧的言動などに労働基準監督官が対抗できる体制づくりへ向けた法改正などの必要性をも示唆している。
参考資料
・ILO東京支局「ディーセント・ワークとインフォーマル経済に関する決議」https://jicr.roukyou.gr.jp/oldsite/publication/2002/123/123-informal1.pdf
・厚生労働省サイト「第104回ILO総会結果(概要)」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kokusaigyomu/ilo_104gaiyou.html